share the sun Vol.07

はっとした出来事。

Theme of share the sun Vol.07

発見、感動、悲しみ、後悔、
出合い、別れ、言葉、風景、、

2014年、一発目。
share the sun Vol.07
「はっとした出来事。」



1/24(金)深夜 締め切り。
*今回の締め切りは、金曜日です。
【フォーマットダウンロード】
Word形式とリッチテキスト形式のファイルが入っています。お好みで。

相性のいい理論の話

鈴木 杏奈
港湾労働者

『「型」にはまっている』というと、あまりいい印象ではないことが多い。

空手の世界では、「型」の演武がひとつの修練の証になっている。エンピ、アーナンコー、クーサンクー、クルルンファ、チートイツ、、は違うが、これらの「型」の習得により、空手に必要な筋力が備わり、感覚が鍛えられるため、「型」は立派な稽古なのだという。
華道でも、初心者は型を学ぶ。真副控という主要な花材の配置の基本形があり、それは盛り花であっても投げ入れであっても変わらない。

経営学の言葉に置き換えると、この「型」は「形式知」と呼ばれる。一方で、空手の実戦における力加減やタイミング、花を生ける際のバランス感覚といったものは「暗黙知」にあたる。形式知はハノンで、暗黙知はプロが演奏するショパンやシューベルトといったところだろうか。前者は誰でも共有できるところにまで簡素化され、洗練された経験の集積で、これらを自分のものにした時に人の心を動かす情緒やゆらぎのある音を奏でることができる。

現実は、基礎練習をひたすら繰り返したからといってプロになれるという単純なものではないのだけれど、この理論に出会った時に、すごくしっくりきたのを覚えている。それはおそらく、自分の身の回りの現象を説明する手段を得たからだと思う。

優れた理論は様々な事象を説明し、他者と共有するための「型」としての役割を果たす。
「型」にはめて自分の身に落とし込めるようになった既知の世界に立つと、未知の地平にまた向き合うことができるようになる。それがなにか心地よく思えた。

「はっとした出来事」

椋野 裕貴
stylist

◯僕の右乳首が異様に下がっている
◯ほっぺたにひげがはえている
◯乾燥肌
◯窓の外をネコが歩いている
◯絶対に身につけないようなものを集めている
◯若い子にイラっとする
◯自分も若い方に気づく
◯いやそうでもない
◯あ、蟻
◯自転車さびてんな
◯あのおじさん日本代表のユニフォーム着てる
◯ヘルメット被ってる
◯ホームレスがめっちゃ英語ぺらぺら
◯あいつ救急車とか関係なく横断歩道歩いてる
◯その後ろの子可愛いな
◯ここに陰毛
◯めっちゃあいさつされた
◯腕毛濃ゆ
◯スポンジの緑の方でニットなでると毛玉とれまくり
◯意外にデブ
◯あの子可愛い
◯焦げる焦げる
◯多い
◯うまっ
◯隣の家から虐待かと思うような声が聞こえる
◯次の日ものすごいハートウォーミングな会話
◯やばい書ききれない
◯というか終わりがわからない

時間を買った人の話。

chama
映像制作

昔バイトしてた時にいた上司の話。

その人はイケメンで既婚者なんだけど、遊び人でした。

そのエピソードのひとつにこんな話があります。
奥さんに借金を内緒で結婚して、ようやく返済したと。
その額がおよそ100万円ほど、なんでそんな大金を!?と、理由を聞くと話してくれました。

借金の理由は「遊ぶお金が欲しかったから」ここまでならダメな人だな…で終わる話ですが、面白いと思ったのはその続きです。

若い時、体力的にも精神的にも1番遊べる時期にただ「お金がない」という理由でやりたい事が出来ないのは勿体無い。

確かにそれだけの理由で若い頃にもっと遊んでおけば良かったと後悔するぐらいなら借金をしてでもやりたい事やって無事返済したその上司の話は無茶苦茶ながらも筋が通ってる様に思えました。

その時にしか出来ないことをやるというのはある意味、価値のわかった人しか取れない行動なのかもしれません。

あれがあったらこんな事が出来るのになーなんて思う事があったら買った事で得られるものを天秤にかけるのもありかもですね。ある意味時間を買うわけなのです。

ハッとした話でした。

東京

稲田 拓郎
Webデザイナー

先日、setoさんに言われてハッとしたこと。

これからどこで生きていくか、
いろんな人と出会うことができて、かなり東京に傾いていたけど、
僕が見ている東京は、今の東京だった。

これから何十年、変わるのは僕だけじゃない。
みんなが、みんなの選択をして生きて行く。

その選択の中に、東京の外も入ってくるだろう。

来年、再来年、これから何十年。
どんどん変わっていく僕の東京、みんなの東京。
誰が残って、誰が出て行くのか。

それでも、
ここに来た時より、期待してしまう街になったのは間違いないのよ。
僕から見えている東京は、まだ今の東京なんです。

向上心

Muneto
Mover

通常はビジネスパーソンとして勤労させていただいております。先日、ある芸術を鑑賞してきて、無意識に心が躍らされ楽しまさせられてしまったことがあった。そのとき、気づいたことがありました。
自分の楽しいと思うことを突き詰めていくこと。それは相手を楽しませることであり、笑わせることだと思う。人を悲しませたり、怒らせたりするよりも、やはり楽しませたい。楽しむということは笑うということ。自分のパフォーマンスで他者を楽しませることができたならば、僕は楽しいはずです。笑いのあるところは楽しい。一瞬の笑いで流れは変えることできる。例えば、台本に沿って起承転結のあるネタも魅力的であるけど、僕の目指したいのはいつでもどこでも手軽にできる技術。自分以外の者から見るとあくまでしぜんな偶然起こったと感じさせられるような面白さ。笑わせようが笑われようが、とにかくは結果で経緯ではない。
これまでの僕の目標は、丁寧に言葉で説明し、コツコツとムーブメントを動かしていきたいと考えていたけど、僕にはそのセンスはないなとようやく覚悟ができてきた。
僕の長所はアジリティと前向きなところだと思い込んでいますので、今のところ短所をいじるよりも長所をとことん磨こうと計画している。自分が楽しめて長所を生かせる方法が一瞬の笑いではないかなと感じたということでした。
つまり、人は何の前触れもなく面白いことがおきれば笑うはずだということ。そのきっかけに僕はなりたいのです。
いつもありがとうございます。
お相手は、Mover Munetoでした。

雲の上の空

平原 慎士
Musician

羽田空港から成田空港へ向かうバス―夏休みを前に、車内はガラガラだった。

空港から空港へ。丁寧に舗装された、静かな道のりだ。

加えて、7月の空は青く澄みきったまま、ぼんやりと空を漂う雲が、真夏の時間を止めていた。


娘「暑いねー。」


母「うん。」


娘「まぶしいねー」


母「うん。」


娘「空が青いねー。」


母「そうね。」


父「。。。」


1時間近くかかる道中、僕の後ろに一組だけ家族が最後部座席に座っている。

声からすると、眠そうな父親と母親、それと4から5歳ぐらいの女の子といったところだ。


娘「。。。」


母「。。。」


父「。。。」


娘「なんで、太陽は落ちてこないの?」


母「空にあるからよ。」



娘「雲はあそこでなにしてるの?」



母「。。。。」



父「。。。。」


娘「なんで空は落ちてこないの?」


母「。。。。」


父「。。。。。」


娘「。。。」


母「。。。。」



父「。。。。。」



娘「あっ、雲が空を持ち上げてるんだね!」